鬱病（うつ病）は人生をシャープにする　

鬱病で目標がかなわなくなった、計画がうまくいかなくなった、という方もおられると思います。

いったん治っても、何度も繰り返すタイプの方は、さらにこの先の見通しが全く立たない、という絶望感を感じておられる場合もあると思います。

しかし、鬱は人生の流れを変えてくれます。

鬱病の、頭も体もあまり動かない、リソースのない中で考えた事・感じた事は
普段の自分では感じ取り得なかった経験値です。
自分の生き方を見つめ直す大きなヒントとなってくれます。

たとえば、鬱病の治療に最も大事なのは
「今はひとまず休まなければならない」
という諦めの気持ちです。

諦めに似た言葉で「諦観」という言葉があります。
もともと仏教用語ですが、この語には「物事の真理をはっきりと見極める」という意味があります。

鬱病のとき、人間はそれまであったものを諦めなければならないときがあります。
それは自分にとって本当に必要なものを見定め、そうでないものを捨てていく作業でもあります。