フロイト、ユングとともに心理学の3大巨匠と言われるアドラー。
アドラーは「人生のすべての問題は対人関係から起こる」と言います。
実際の対人関係の問題は思い込みなどに左右されがちです。
そこで、家庭でのやり取りを少し変えて子供の気持ちを変えていくだけでも、外でも問題が改善する可能性があるのです。
アドラー心理学は家庭でも実践しやすく、不適応など学校への不適応を抱える親子にも非常に役立つものです。
今日は、アドラー心理学の主な理論について、不登校の問題を交えながらシンプルに解説していきます。
アドラー心理学を実践して、幸せな家庭・子供のハッピーな将来のための一歩につなげてみてください。
目的思考
アドラー心理学は、原因ではなく目的に着目するという目的論です。
例えば学校に行けない子供がいた場合、原因を追求することはしません。
その子供が「どうしたいか」「どうやればできるか」という、子供自身のこれからの希望にフォーカスしていくのです。
もし子供が「また学校に行きたい」と望むなら、学校に行きやすい方法を一緒に考えていきます。
たとえば
- 別室登校ならできる
- 登校班が苦手だから親に送ってもらっていけば大丈夫
など、子供が納得してできそうなことをやっていきます。
一方、子供が「学校へは行きたくない」と望むのであれば、学校以外で子供が成長していける場を考えていくことに。
- フリースクール
- ホームスクーリング
- 通信制
- 勉強にこだわらず、人生の方向性を見定めて進む
などの選択肢から、子供に適しており子供が望む方法を取っていく必要があるでしょう。
過去を振り返らない
アドラー心理学は未来志向です。
過去にとらわれず、これからどうしていきたいかにフォーカスすることで、シンプルかつ最短の問題解決につながります。
まだ自分の心を表現する能力が発達途中な子供にとっても、過去を振り返って考えるよりは将来にフォーカスする方が取り組みやすいとも言えます。
勇気づけの心理学
人には「自分を認めてもらいたい」という承認欲求があります。
特に子供時代に承認欲求を適切に満たすことは「自分は社会の中にいて良いんだ」という、心理的な安心安全の感覚の基礎となります。
現代では承認欲求というと目立ちたがりの元のような悪い印象が持たれがちですが、それは子供時代に充分に承認欲求が満たされなかった場合、成長してからも歪んだ形で承認欲求を表し続ける満たされない人も多いからです。
アドラー心理学では、承認欲求を満たす方法として「勇気づけ」を勧めています。
勇気づけとは、誰かが何かを自分で成功させたとき、それに対して自分が感じる喜びや嬉しさなどのポジティブな気持ちを伝えていくことです。
子供が自分で何かができたとき、親は嬉しい感覚を持つでしょう。
その感覚をきちんと伝えていくことで、子供は自立への希望や自尊心を育てていきます。
不登校など学校への不適応を抱えている子供は、学校で先生に認められることが少なく、承認欲求を満たす機会が不足しがちです。
でも、家や他の居場所で大人が積極的に子供の行動に勇気づけをしていくことで、子供は自分の存在価値を認められるようになります。
その結果、新しいことにチャレンジしていく勇気を身に付けていくのです。
共同体感覚
共同体感覚とは「自分は世の中の一員で、みんなとともに生きている」という感覚のことです。
共同体感覚があることで、自分だけでなく他の人の幸せや、社会全体が良くなっていくことを自分の喜びとしてとらえることができます。
共同体感覚はどの人にもあるものですが、子供のころに親や、その他いろいろな場所の人から承認欲求を満たしてもらうことで充分に引き出されていくのです。
共同体感覚を育てる、ということを意識すると、学校に不適応を抱えている子の場合、他にも承認欲求を満たせる場所があることで、心がより健やかに育っていけることが分かります。
習い事や、地域のコミュニティ、ボランティア活動など、子供が自分の力を伸ばせる場所、役に立てる場所などで子供に活動してもらい、共同体感覚を養っていくといいでしょう。
アドラーは今日から実践できる心理学
アドラー心理学は、毎日の人間関係に実践的に使っていける心理学です。
毎日の子供とのやり取りにもすぐ活かしていけるものなので、興味がある方はぜひ実践してみてください。
家庭での実践については、こちらの本が具体的な方法が多くて分かりやすいです。
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