不登校の親、どうしてこんなにも疲れるのか

空っぽの部屋 不登校について
何もない部屋

子どもが不登校だったとき、親の私も毎日不安や焦りを抱え、そして疲労していました。

毎日家にいる子供の世話は大変でした。
やたら親へ甘えるなどの退行への対応もしんどかったです。

でも今思えば、「今の子供」を見つめていなかったから
という理由もあったんです。

子供の「未来」と「過去」にとらわれていた

家に居る現実の子供を見つめながらも、頭に思い浮かぶのは現在ではない、「未来」や「過去」の子供だったんです。

子供の「これから」「将来」という未来を考え、
不登校の「原因」や「理由」、「こうしていれば良かったのに」という過去を思い出したり。
今どうにもできないものに不安や焦りを感じて、癒やされることのない疲労を感じていました。

そして、目の前の子供をかわいがる余裕がありませんでした。

子供に本当に望んでいたものは

「元気で大きくなってほしい」
親の最大の願いだと思います。
そのために、子供はそのために学校を去って「いまここ」にいてくれているのに、私は目の前の子供を見つめていませんでした。

いつの間にか、子供が将来社会でやっていけるのか、にとらわれていた気がします。
私もいつの間にか、自分の親と同じことをしてしまっていました。

壊れた心の後遺症は長引く

私も、子供の頃、過去不登校をしたいと望んでいました。
いじめや、対人関係の困難、感覚過敏による教室の辛さなど複数の要因があったためです。
勉強自体は嫌いではありませんでしたが、学校自体が辛かったし、一旦教科書を見れば分かるタイプの子供だったので、授業や宿題は退屈でした。

でも、親は学校へ行かないことを許してくれませんでした。
親は生真面目な人で子供の弱音を許さないタイプの人ではありました。
でも、学校へ行く以外に教育の選択肢がなかった、という社会的な理由も大きいとは思います。
親だけの責任ではなかったなあ、
と今になれば親の気持ちを思い量ることもできるようになりました。

小中高、親の言う通り学校へ行き続けた結果、大学に入ったころには鬱病、摂食障害、拒食の結果として脳の機能に影響が出ていました。
毎日めまいや記憶障害に悩んでいました。

その影響は今も続いていて、心に負荷を掛けると鬱病が再発します。
20代の頃は「自分が頑張ればなんとかなるのでは」と何回も再就職を試みましたが、新しい職場で頑張るたびに鬱病が再開してしまうことに悩みました。

その後心理学の勉強を始め、現在はかなりコントロールできるようになっています。
でも、まだまだメンテナンスに手間の掛かる心と付き合って、一緒に生きています。
一旦壊れてしまった心はなかなか元通りにはならないと思っています。

不登校は子供の自己表現

大人は職場が合わなかったら転職ができます。

もし職場の対人関係から鬱病になり、自殺した大人がいたとしたら、逆に
「無理せず転職すれば良かったのに」
と言われるでしょう。

また、したくない仕事から自分のやりたい仕事に転職することは、ポジティブであり称賛されることでもあります。

子供にもそれができていいはずです。
学校や教育システムが自分に合っていないとき、「転校」や「ホームスクーリング」などの代替策がすぐにとれないとすれば、子供にとって現実的な対応策は、「今の学校へ行かない」です。

不登校の子供は今を見つめ、自分が元気に成長するためのポジティブな選択をしてくれています。
そのサポートをすれば、子供はもっと活き活きと自分の命の芽を伸ばしてくれるのではないでしょうか。

今の子供を見つめるためにできること

未来や過去ではなく今の子供を見つめるためには、積極的に主観的・客観的になって子供と過ごすことが役立ちます。一緒に家にいられることは本当にラッキーなことです。

実際に関わり合う
子供がやっていることを一緒になってやってみる。
親のやっていることを一緒にやってもらう。
一緒に行動するのが難しければ、植物のように眺めてみる。
など、今の子供に近づいてみてはどうでしょうか。
良い悪いを気にせず、ひとまず今の子供の生活の中に自分が同化して観察するイメージです。


・データにする、発信する
子供の様子を記録する。
人と話してみる。
SNSに発信する。
供の姿を言葉に描き出すことで、不安や焦りなどの感情から離れた視点で子供を見ることができるようになります。

それからもっと大事なのは親も自分のしたいことをするということです。
多少わがままでも、多少何かを犠牲にしても、自分の人生です。
子供の人生と親の人生は別、今幸いにもそばにいられるだけです。

子供の今の姿を感じられるようになったら

未来や過去にとらわれず、今の子供の姿に集中できるようになると、子供のしていることをポジティブに感じられることが増えてくると思います。
すると、不安や焦りなどネガティブな気持ちが減り、心のエネルギーも回復してきます。

それだけでも心が楽になってくると思います。
人を変えるより、自分を変える方が先です。

子供のこれからは、親のこれからよりずっと長く、可能性にあふれています。
親が子供をサポートしてやれるのは、正直そんなに長い期間ではありません。
自分のできるペースで伸びている、そんな子供の可能性を信じられるようになると楽になると思いませんか。

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